アプリ作りに必要なことは、すべて園児が教えてくれた


皆さんご存知、あの、なかしまです。

スマートエデュケーションでは定期的に開発合宿を行っているのですが、11月は初の試みとして幼稚園の中で開発をする”こどもまんなかハッカソン”を開催しました。

福井県敦賀市の第二早翠幼稚園のエントランスを貸して頂いて、3日間アプリ開発をしてきました。

園児を観察してみた

幼稚園のエントランスでMacを開いてiPadを触っていると園児が沢山寄ってきます。今回は開発途中のアプリを園児に触ってもらい反応を見ながら開発の方向性や妥当性をその場で判断しながら開発をしました。

もちろんずっと園児の相手をしていては開発が進まないので、iPadに入っているアプリを渡してアプリに夢中になっている内にプログラムを書いたりしていたのですが、園児のiPadの操作の仕方などを観察していると、大人では気付かない未就学児向けアプリに大切なことが見えてきました。

blog1

未熟な指

園児の指はまだまだ発展途上なので大人のように正しくタップ、フリック、スワイプの動作が出来ません。そのため繊細な操作を必要とするアプリでは楽しさよりストレスの方が多くなってしまい、すぐに飽きてしまいます。

またドラック操作をする場合は、指が短いので手の腹が画面に触れてしまい2点タッチ状態でドラッグしている子も多いです。この辺りはアプリの性質を考慮して、マルチタップを禁止にするなどの対策が必要になります。

15277061834_8ffd320b06_b

 

‘明確なUI’ではなく’明快なUI’

UI/UXを考えるときに”分かり易いUIにしよう”と思う人が多いと思います。しかし当然のことながら大人にとって分かり易いものが、園児にとっても分かり易い訳ではありません。

園に持っていったiPadの中には世界で人気の子供向けアプリも沢山入っていたので、それを起動して園児に渡してみるとほとんどの園児がゲーム画面に到達出来ないアプリがいくつかありました。UIを見てみると極力文字を使わずにイラストで機能を説明しているのですが、ボタンの数がとにかく多いのです。

実は園児の目にはボタンの中のイラストはほとんど目に入っていません。そのため一つの画面に複数のボタンを配置してしまうとどれを押したらいいのか分からなくなってしまうのです。

もちろん大人が付いて一つ一つ説明したら園児も理解出来るので、一つの画面に複数ボタンを配置するのは間違いだということはありませんが”園児のストレスにならない”ということを最優先に考えてUI設計をしなければいけません。

IMG_71651518978380

チュートリアルは文脈に頼らない

アプリのチュートリアルは過去に様々なパターンが出ているので、過去のアプリのマネをしておけばそれほど困らないのですが、未就学児向けとなるとそうはいきません。

なぜなら大人は沢山のアプリに触れた経験があるので、チュートリアルで操作関連のガイドが出ればそれが意図していることを理解することが出来ますが、前提知識が圧倒的に少ない園児には何のことだかサッパリ分からないのです。

おそらく園児向けのアプリで出来のいいチュートリアルはまだ無いように思います。なので入れるのであればユーザビリティテストを徹底的に行って、正しく園児向けになっていることを確認しなければいけません。

ただ出来ればチュートリアル無しで操作出来るモノが作れると良いかと思います。

15897197991_ef8106058a_c

blog

画面スクロールに気付かせる

アプリによってはスクリーンより大きなビュー(アプリ内部の画面)を扱うものもあると思います。園児にそんなアプリを遊ばせると、画面がスクロール出来ることに気付かずに、今見えている画面内で黙々と遊んでいたりします。

せっかく沢山のコンテンツをアプリに盛り込んでも気付いてもらえなかったら意味がありません。

リストビューであれば気付かせるために、スクリーンの向こう側にあるリストを少しだけ見せる方法を使いますが、そうで無い場合は何か別の方法を探す必要があります。

例えば画面表示時に自動でスクロールしてスクリーンの向こう側に別のモノがあることを見せるという方法もありますし、思い切ってスクロールはやめにして、ボタン操作で別画面を開く作りにしてしまうのも園児にとっては分かり易くなります。

016A2736 016A2747 016A2757

今回は3日間の幼稚園合宿や、今までの幼稚園でのプレイテストで見てきた園児の反応から、未就学児向けアプリケーション開発の考え方をまとめてみました。まだまだ未成熟な業界で、スタンダードが見えないからこそ試行錯誤できて楽しい業界だなというのが正直な印象です。

合宿の最終日に3日間で作成したアプリを園児に遊んでもらったのですが、想像以上に楽しんでくれて、開発者として心嬉しい限りでした。

これからも沢山の園児が笑顔になれるアプリを開発していきますよ!