乳幼児を対象としたメディアが溢れている現状を踏まえ、NAEYCでは2歳以上の映像(※1)への接触時間合計を“1日2時間以内”(※2)と推奨しています。AAPは2歳未満の映像(※1)接触を推奨していませんが、NAEYCでは教育的に適切と判断されるケースにおいては「可」としており、時間については明言しておりません。
乳幼児は年齢に関わらず、単に見るだけの受動的な映像接触よりも、インタラクティブなコンテンツ(※3)を利用することが望ましいでしょう。
いずれの場合でも乳幼児を一人にすることなく、声をかけるなどして保護者から積極的にコミュニケーションをとるように心がけましょう。
※1:[映像] ここでは、TVモニターや、パソコンモニターや、タブレット端末、スマートフォンのような機器に
映し出しされる全ての映像を指します。
※2:[2時間以内] スマートデバイスを含む、各機器から映し出される映像への“合計の接触時間”です。
※3:[インタラクティブなコンテンツ]インタラクティブとは「双方向」というような意味。テレビ番組等を受動的
に見るのではなく、乳幼児が能動的に何らかの応答をすることで、コンテンツが反応し、ストーリーが進行し
たり、楽器の音が鳴ったりするようなコンテンツの利用をここでは推奨しています。
☆ 「AAP」「NAEYC」は、乳幼児教育に関して権威のある米国の機関[詳細次項]。
映像と視力低下の関係については、因果関係は特定されていませんが、眼精疲労の点からも、スマートデバイスの長時間の連続利用は避けた方がよいでしょう。
映像に限らず、近い距離で見続けると視力低下につながりますので、適正な距離を保ちましょう。
スマートデバイスが発する電磁波の影響については様々な研究が行われていますが、現在のところ健康に影響がないという研究がほとんどであり、我が国の法律でも安全に配慮した基準で規制が行われています。
携帯電話の電磁波と発がん性の関連について、限定的ながら「可能性がある」とする研究もあるため、携帯電話など強い電磁波を発する可能性のあるスマートデバイスを利用する際には、頭部からの距離を離すなどの対応が望ましいでしょう。
海外のテクノロジー利用の実態調査では、コンピュータゲーム(アプリ利用)も子どもの社会学習のきっかけやコミュニケーション能力の向上、語彙やアルファベットの習得の機会として認識する保護者と、子ども一人で自由にランダムクリック(脈絡を深く考えずに、いくつかの選択肢の中から次の画面を表示させる)させる保護者がおり、それらの保護者が選択するゲームの種類も異なることを明らかにしています。
この2種類の対応は、子どもの学習機会の差につながる可能性があると考えられます。
乳幼児の発達や学びを考慮する際、「アプリが学習機会に影響を与える」と意識した上で、適したものを選択しましょう。